機内から這って降機させれた車椅子の男性にエアカナダが謝罪

 エアカナダが、這って降機させられた車椅子の男性に適切なサポートを提供せずカナダの障害者に対する規制に違反したとして、謝罪したことが11月2日分かった。

 事件が起きたのは8月30日。ブリティッシュ・コロンビア(BC)州プリンス・ジョージ市在住のロドニー・ホジンズさん夫妻はバンクーバーからラスベガスに向かった。

 ホジンズさんは麻痺があるため普段は電動車椅子を使用している。機内から出る時は、いつも通路用の幅の狭い車椅子を使う。しかしこの時はラスベガス着陸後、通路用車椅子も介助もないから自力で機内から出なければならないと、乗務員から告げられたという。ホジンズさんは歩けないため腕の力だけで通路を這って行かなければならなかった。妻のディアナさんが彼の後ろを追って手伝い、なんとか機内から出られたが、その後数日は痛みが残ったという。

 ディアナさんはこの件について、「非人間的な」扱いを受けたとカナダのテレビインタビューで訴えた。のちにエアカナダのカスタマーセンター代表がホジンズさんに電話して2,000ドルのフライトバウチャーを申し出たが、ホジンズさんは公式謝罪を求めた。この事件は国内外で注目を集め、連邦議会でも議論となり、エアカナダは事件から約2カ月後に公式に謝罪した。

 妻のディアナさんはエアカナダが誤りを認めたことを「勝利」とし、今後の同社の変化に注目したいとコメント。またホジンズさんは、これからも障害者の権利を求めていきたいと話している。

(記事 編集部)

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