「行合の空*グラデーションに染まりて」

カナダde着物

第50話
*夏衣から初秋の着物へ*

 残暑お見舞い申し上げます。
 夏から秋に移る頃、暑気と冷気が行き交うことから、行合の空(ゆきあいのそら)と呼ばれているそうです。
 ゆく季節と訪れる季節が重なり合う時期でしょうか。
 ただ、この数年、8月になると山火事の煙がカナダの空を覆ってしまいます。
 空の表情は私達の心身にも影響があるものです。
 お体を大切にお過ごしください。そして、被害が広がりませんように。

「Sunset Today in Burnaby」by Manto Artworks
「Sunset Today in Burnaby」by Manto Artworks
「Sunrise Today in Vancouver」by Manto Artworks
「Sunrise Today in Vancouver」by Manto Artworks

*今日の着物*Today’s Kimono

「初秋を感じる駒絽の着物」

 夏の着物を愉しめる期間は短く、「今年も着れなかった~」「来年は手を通してあげたい」と毎年、嘆いております(笑)

 7月から8月は、暑い日もあり着物を避けたくなる時もあります。

 ただ、夏にしかお披露目できない着物や浴衣がありますから、「えいや!」っと気合を入れて、着物で出掛けるようにしております。

 以前にも書きましたが、8月の立秋やお盆を過ぎた頃から、暦の上では秋に入ります。着物や浴衣の柄に秋のモチーフが多いのもそのせいでしょうか。

立秋やお盆が過ぎたら秋を意識してコーディネート 。写真:コナともこ
立秋やお盆が過ぎたら秋を意識してコーディネート 。写真:コナともこ

 昨年の8月末に、シアトルで記念茶会がありまして、初秋の着物(*1)で蘇州刺繍が施された駒絽着物(*2)を選んでみました。

(その時の様子は、私のインスタグラムとFACEBOOKでご覧ください)

 お茶会の会場は、湖が美しいKirklandにあるWoodmark Hotel & Still Spaやアジアの美術が展示されているSeattle Asian Art Museumでした。

 お隣の国ですが、バンクーバーと気候が似ていて、訪れるたびに親近感が湧きます。

 茶道裏千家淡交会シアトル協会(*3)の皆さまの温かいおもてなしと、素晴らしいアメリカの自然を満喫して家路につきました。

湖が美しいKirkland, Washington, USA. 初秋の着物:蘇州刺繍が施された駒絽。写真:コナともこ
湖が美しいKirkland, Washington, USA. 初秋の着物:蘇州刺繍が施された駒絽。写真:コナともこ             

*今日の和の学校*Today’s Gathering

「お寺でお盆参り2023夏」

 今年もコキットラム市にあります、東漸寺にて、お盆参りが行われました。

 過去最高の60名以上の方々がお参りにいらして、法要の後、殺陣教室講師によるパフォーマンスや日本舞踊の皆さまによる盆踊りがあり、浴衣姿の人々で会場はとても賑やかでした。

 この3年ほど、コロナ禍中にお亡くなりになられた方々のお別れでは、人数制限などがあり、大勢の人々がお葬式に参列することが難しいこともありました。

 そのような場合は、1周忌や3周忌などで、あらためて、故人を偲ぶこともできるのではないでしょうか。

 子供たちの声が響く境内、浴衣姿の人々が踊る姿。

 平安と希望を感じる暮夜でした。

お盆参り2023@東漸寺 盆踊り。写真:コナともこ
お盆参り2023@東漸寺 盆踊り。写真:コナともこ

(*1)初秋の着物
 日本より秋の始まりが早いカナダでは、8月から秋の装いが始まっても自然な感じがする。素材、柄、色合いがコーディネートのポイントになる。落ち着いた色やシンプルなデザイン、流行のくすみ色は若者からシニアまで、年齢を問わず愉しめるため、親子で着物をシェアできたりもする。

(*2)蘇州刺繍と駒絽
 大変細かい作業で制作される蘇州刺繍(そしゅうししゅう):蘇州刺繍の精巧な技術は、今でも世界最高峰として評価されている。きもの一反に50以上の色糸を使い、糸の細さは髪の毛の3分の1程度で、一本一本を手で刺繍している。 
 格式が高い駒絽(こまろ):強い撚りのかかった駒糸をつかった絽で、平絽などと比べてシャキッとしていてさらりと涼しいのが大きな魅力である。駒絽の着物は、夏の着物の代表格といってよい。

(*3)茶道裏千家淡交会シアトル協会
 淡交会シアトル協会は、茶道裏千家の会員組織である淡交会のシアトル支部である。非営利組織(NPO)として登録されている本協会では 、シアトルエリアの裏千家茶道に従事、もしくは興味を持たれている方に対するサービスを提供している。

参照
日本の行事・暦:http://koyomigyouji.com/index.html
きもの大辞典:https://www.someoriren.jp/dictionary/index.html

「着物語り」
コナともこさんが着物の魅力をバンクーバーから発信する連載コラム。毎月四季折々の着物やカナダで楽しむ着こなしなどを紹介します。
2020年8月から連載開始。第1回からのコラムはこちらから

コナともこ
アラフィフの自称着物愛好家。日本文化の伝道師に憧れ日々お稽古に励んでおります。
13年前からコキットラム市の東漸寺で「和の学校」を主宰。日本文化を親子で学び継承する活動をしております。

年間を通じて季節の行事に加え、お寺での初参り、七五三祝い、十歳祝い、元服祝い、二十歳祝い、結婚式、生前葬、お葬式などの設えと装いのお手伝いもさせていただいております。

*詳しくはコナともこ までお問い合わせ下さい。tands410@gmail.com
東漸寺は非営利団体で、和の学校の収益は東漸寺の活動やお寺の維持の為に使われています。

カナダ人の夫+社会人と大学生の3人娘+老犬1匹(昨年末、虹の向こうへ)がおり、バンクーバー近郊在住。

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