バンクーバー教育委員会、警察官を高校内に配置するプログラムを再導入へ

 バンクーバー教育委員会(ブリティッシュ・コロンビア州)は11月28日、高校内に警察官を配置する “School Liaison Officer” program(SLO)の再導入について投票を行い、5対4で可決した。今後、バンクーバー市警察とプログラム内容を見直し、来年9月の再導入を目指す。

 同プログラムは、アメリカのジョージ・フロイドの事件を受け、2021年に停止となっていたが、バンクーバー市ケン・シム市長率いるABCバンクーバーは、SLOの再導入を目指していた。新たに選出されたバンクーバー教育委員会理事は、9人中4人がABCで、元ABCが1人、この5人が全員賛成票を投じた。

 投票に先立って理事らは、数日間に渡って親や関係者などから事情を聞いたという。またほかの理事は、より多くの情報や協議を求めて投票を遅らせようとしたが、成功しなかった。

 同プログラムは2021年4月に教育委員会による8-1の賛成多数で実施終了が決まった。それまでは17の高校にバンクーバー市警の警官が配置されていた。

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州人権委員会コミッショナーのKasari Govender氏は、投票前に、警察官が学校に常駐することに対し、先住民や黒人などの生徒や親、コミュニティが懸念していると言及。これ以外に方法がないという証拠を示せない限り、SLOは廃止するべきだと、BC教育理事協会に呼びかけていた。

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