「久しぶりに皆さんにお会いできるのが楽しみです」イーストサイド・カルチャー・クロール参加アーティスト、石井絵里さん

石井絵里さん、スタジオで。2022年11月。写真提供:石井絵里さん。
石井絵里さん、愛犬と一緒にスタジオで。2022年11月。写真提供:石井絵里さん。

 バンクーバーのイーストサイドがアートで盛り上がる4日間Eastside Culture Crawl(イーストサイド・カルチャー・クロール)が11月17日から開幕した。

 初期の頃から参加している日本人アーティスト石井絵里さんに、イーストサイド・カルチャー・クロールの魅力を聞いた。

「クロールと共に歩んできたって感じです」

 石井さんによるとクロールは「始めた頃は本当に手作りの感じで、スタジオの数もすごく少なかったんです」という。今年で26回目を迎えるクロールだが、最初の目的は、画廊などの第三者を通さずに「直接皆さんに美術品を広めようっていう目的で、4、5人で始めたんです」。

 石井さんが参加したのはそれから数年後のこと。「私は一番初めからではないんですけど、それから何年かして。その時は違うスタジオでした」

 今ではアーティスト約450人、スタジオ68カ所で開催される、アーティストが参加するバンクーバーの一大イベントだ。

 石井さんがいるスタジオも、週末だけで毎回約1,400人が訪れるという。画廊や公立美術館での展覧会でもこれだけの人が一度に訪れてくれることはないと笑う。

 「私もクロールと共に歩んできたっていう感じですよね」

石井さん、11月19日(土)11時よりデモンストレーション開催

 長年クロールに参加してきた石井さんでも、デモンストレーションをする前は、「ドキドキで、なんでこんなことやるって言っちゃったんだろうって思うんですけど、始めるとやっぱり楽しいですよね」と笑う。

 きっかけは、スタジオを訪れていた子どもたちに「一緒に絵をかかない?」と誘ったことだった。かなり前のことだったがと前置きして、「あんまり人がいなくてつまらなかったので、大きな机を出して子どもたちを誘ったんです。そしたらワーッと集まって」。スタジオが人で埋まったという。その時は突然の思い付きだったため、次からは事前に準備して開催。以降、デモンストレーションは人気だという。

 今は、訪れた人たちを前に説明しながら絵を描いていく。「私はプロセスとかの話をするのが好きなんです」。絵具を置く台、台に載っているパレットなど、本当に画家が使っている道具などに多くの人が関心を寄せると説明する。

 「ここは美術館ではなくてスタジオですから、創作活動をしているわけですからね。みなさん、実際に使っているものにすごく興味がありますよね。どういう絵具使ってるの?どういう風に色を混ぜるの?どこの会社の絵具?とかね」と楽しそう。

 今年も「何にしようかと色々考えて。でも楽しく説明しながら書いていきます」。

「クロールは1年に1回の同窓会みたい、皆さんに会えるのが楽しみです」

 「クロールはすごく稀有なイベント」と話す。「スタジオで制作していると人にあまり会いませんよね。コミュニケーションしませんよね。美術品を作るというのは本当に孤独ですからね」と笑う。

 しかしクロールに参加すると、「私の作品を見たことがない人もたくさん来られて、本当に直にコミュニケーションができるので、手ごたえがあるって感じです」。中には毎年来る人もいて、10年以上訪れる人もいるという。「私にとっては、同窓会じゃないですけど、1年に1回会えるみたいな」。そういう人たちとまた会えるのは「すごく楽しみ」と満面の笑み。

 特に2020年から2年間、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、対面でのイベントは制限されていた。今年はほぼ新型コロナ前に戻る。

 「自分のつくった作品の話とか、(毎年訪れてくれる人に)どういうことをしてたの?とか、話を聞いたりするのが、すごく楽しみです」

 さらに、もう一つ楽しみがあるという。それは新しいファンに会えること。最近の傾向として「ソーシャルメディアでフォローしてくれている方がクロールでスタジオに来てくださることが増えたんです。『ソーシャルメディアでフォローしてますよ』って言われると、なんかうれしいですね」。

 続けて、「みんながこう楽しくなるって、うれしくなるっていうか、(作品を)きれいねって思ってくれるっていう、そういうポジティブな感じが、クロールをやるとちょっとだけでも、いいことをしてるのかなっていう気持ちになりますね」と語り、「それがクロールの一番、私はいいところ、好きなところですね」と笑った。

石井絵里さんのスタジオとデモンストレーション

日時:11月19日(土)11時
会場:Portside Studios(150 McLean Dr. Vancouver)
*Portside Studiosでは16人のアーティストが参加予定。

石井絵里さんインスタグラム:https://www.instagram.com/eri_ishii_painter/

第26回Eastside Culture Crawl Visual Arts, Design & Craft Festival

期間:11月17日(木)~20日(日)
時間:木・金 5-10pm、土・日11am–6pm
会場:バンクーバー市内のColumbia St.、1st Aveneu、Victoria Drive、Waterfrontの範囲内(マップ:https://culturecrawl.ca/buildings
ウェブサイト:https://culturecrawl.ca/

*マスク着用推奨(マスク着用義務のスタジオもあり)

PREVIEW EXHIBITION

期間:10月31日~11月27日(開催日は会場によって異なる)
会場:
Pendulum Gallery (885 W Georgia St)
Alternative Creations (1659 Venables St)
The Cultch (1895 Venables St)
Charles Clark Gallery (Strange Fellows Brewing, 1345 Clark Dr)
Firehall Arts Centre (280 E Cordova St)
ウェブサイト:https://culturecrawl.ca/events

石井絵里さんと、13歳の少女を描いた石井さんの作品。2022年11月11日、Portside Studiosで。Photo by Naomi Mishima/The Vancouver Shinpo
石井絵里さんと、13歳の少女を描いた石井さんの作品。2022年11月11日、Portside Studiosで。Photo by Naomi Mishima/The Vancouver Shinpo
Ms. Eri Ishii. Photo by Wendy D, provided by The Eastside Art Society
Ms. Eri Ishii. Photo by Wendy D, provided by The Eastside Art Society

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