日本人留学生・古川夏好さん裁判で、カナダ最高裁判所が被告の有罪判決を回復

 日本人留学生の古川夏好(こがわ・なつみ)さん(当時30歳)が遺体で発見された事件で、カナダ最高裁判所が10月7日、ウィリアム・シュナイダー被告に対する第二級殺人での有罪判決を回復したと、カナダの各報道機関が伝えた。

 古川さんが行方不明となったのは2016年9月8日。2週間後に、バンクーバーのウエストエンドにあるガブリオラ・ハウスで、遺体で見つかった。同日、ビデオ映像で古川さんと一緒にいるところを映し出されていたシュナイダー被告が逮捕された。

 2018年、シュナイダー被告には、14年間仮釈放なしの終身刑が言い渡された。しかし2021年、同被告は裁判には誤りがあったと控訴。主な論点は、同被告と妻との電話での会話を聞いたという供述を、証拠として認めるかどうかだった。被告の兄であるウォーレン・シュナイダーさんは、被告が電話で「俺がやった」「俺が彼女を殺した」と言っているのを聞いたと供述した。

 しかし、通常伝聞は証拠として認められないため、裁判官の間でも意見が分かれ、2021年2月、BC州上訴裁判所はシュナイダー被告の有罪判決を覆し、再審を命じた。これに対し検察側はカナダ最高裁判所に上告していた。

 最高裁判所は7対2で、ウォーレンさんの供述を例外的に採用可能と決定した。

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