歴史家で人権活動家の鹿毛達雄さん死去

 長期にわたり、バンクーバー日系市民協会人権委員会の委員を務めた、鹿毛達雄さんが1月26日に亡くなった。86歳だった。

 鹿毛さんは東京大学文学部卒業。同大学大学院在学中にドイツ西部のチュービンゲン大学に留学。帰国後、明治学院大学法学部で政治外交史担当教授として研究・教育に従事した。

 1975年にカナダに移住してからは、日系人のためのソーシャル・サービスや、日系カナダ人へのリドレス(補償)運動に参加した。その際、太平洋戦争で日本に帰国したままカナダに戻っていない人がいることを知る。

 日系カナダ人の諸団体がカナダ政府に対して、戦争中の日系カナダ人の取り扱いが不当であったことを認め、補償を行うよう働きかけた運動で、戦争で日本に帰国した日系人も補償金申請できるよう情報などを提供した。1998年には、戦後、日本に送られた日系人についての「再度の強制移動:第2次世界大戦後の日系人の日本への追放」を出版した。

 翻訳者としても活躍し、ブリティッシュ・コロンビア州の日本語翻訳者らの勉強会の運営で中心的役割を担った。

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