トロントで、移植用の肺を世界で初めてドローン輸送

 カナダのトロントで世界で初めて移植用の肺がドローンで輸送された。

 ドローンはトロント・ウエスタン病院とトロント総合病院間の1.5キロメートルを飛行して、肺を届けた。トロント総合病院は世界で初めて臨床肺移植および両肺移植を成功させていて、同分野では世界トップクラスの医療機関と定評がある。

 移植手術を受けたのは、オタワ在住のAlain Hodakさん(63歳)で、2019年に肺線維症との診断を受けていた。呼吸するのがひどく困難だったが、手術の成功で楽になったという。

 肺移植チームを率いる、トロント総合病院のShaf Keshavjee医師は、「ドローンでの肺の運搬は画期的な出来事でした。今回の成功で(ドローンでの肺の運搬が)可能であることが分かり、今後の治療において、標準となるよう道を開くことができました」と語った。

 プロジェクトに関わったUnither Bioelectronicsの親会社United TherapeuticsのMartine Rothblatt CEOは、「United Therapeuticsでは100マイル(161キロ)、続いて200マイル(322キロ)飛行できるドローンを開発しているところで、肺や心臓、腎臓などの臓器を将来的には北米中に届けることができるようにする計画です」と展望を述べた。

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