グラフェンマスクに健康被害の可能性

 カナダ保健省がグラフェン(graphene)を使用しているマスクが健康被害を起こす可能性があるとして、使用の停止を呼びかけている。4月2日に同省ウェブサイトで勧告を行った。

 保健省の勧告対象となっているのは、グラフェン(graphene)やバイオマスグラフェン (biomass graphene)を材料としているマスク。発表によると、グラフェン分子を吸入することで、動物の肺に害をもたらす可能性があることが研究や調査結果を調べた分かったという。

 これらのマスクを着用してグラフェンを吸入することでの、人体への健康被害の可能性については現時点では不明。またマスクのデザインにより、影響も異なるとしている。カナダ保健省はマスクの製造業者にデータ提出を求め、グラフェンを使ったマスクの健康上のリスクについて詳しく調べている。

 さらに科学的調査を徹底的に行い、安全性と有効性が確保されるまで、グラフェンを用いたマスクを市場から除く安全策を取っている。判明している全ての輸入業者やメーカー、販売業者らに、該当する製品の販売を停止して回収を行うように指示を行った。

 医療関係者や消費者に対しても、マスクのラベルを調べて、グラフェンを用いたものであれば使用の停止を勧告した。そしてグラフェンを使ったマスクを着用して、これまでになかったような呼吸での問題があった場合は、医師に相談するよう呼びかけている。

 グラフェンは抗菌、抗ウイルス作用のある新素材として近年、注目を集めている。報道では使い捨てマスクにグラフェンを使用しているものがあるという。