2026年「朝日」新年会 来年のジャパンツアーに向けて始動

真っ赤なユニフォームをまとった選手たちを、家族や関係者が囲んだ。2026年1月11日、バーナビー市。撮影:田上麻里亜
真っ赤なユニフォームをまとった選手たちを、家族や関係者が囲んだ。2026年1月11日、バーナビー市。撮影:田上麻里亜

 朝日ベースボール・アソシエーションの新年会が1月11日、ブリティッシュ・コロンビア(BC)州バーナビー市の日系文化センター・博物館で開催された。会場には朝日のユニフォームを身に着けた選手や家族、指導者、関係者など約150人が集まり、活気あふれる新年会となった。

朝日にとってどれほど大きな存在だったのか

あいさつするジョン・ウォン会長。2026年1月11日、バーナビー市。撮影:田上麻里亜
あいさつするジョン・ウォン会長。2026年1月11日、バーナビー市。撮影:田上麻里亜

 朝日ベースボール・アソシエーションのジョン・ウォン会長はあいさつで、「朝日ベースボールは、この会場にいる一人ひとりが時間や労力、思いを注いでくれているからこそ成り立っている」と述べ、選手や家族、指導者、ボランティアの存在が欠かせないことを強調した。その後、活動を支える理事やボランティア一人ひとりの名前が紹介され、会場から大きな拍手が送られた。

 また、当日は戦前の日系人野球チーム「朝日軍」の元選手、上西ケイさんの誕生日であり、「Vancouver Asahi Day」に当たることにも触れた。「この時期に集まることで、ケイが朝日にとって、そしてここにいる多くの人にとって、どれほど大きな存在だったのかを改めて感じさせられます」と述べ、朝日の物語を子どもたちや家族と共有し、次の世代に伝えていくことの重要性を強調した。

朝日は「ただのチームではなく、家族のような存在」

 今年の「ケイ・カミニシ・アワード」には、エイダン・パク(Aiden Park)さんが選ばれた。朝日ベースボールチームのメンバーから毎年1人を選出するこの賞は、朝日の精神であるスポーツマンシップや礼儀に加え、野球の技術や次世代育成への貢献などを総合的に見て贈られる。

「ケイ・カミニシ・アワード」受賞の様子。左から、朝日野球協会副会長小川学さん、エイダン・パクさん、エド・カミニシさん。2026年1月11日、バーナビー市。撮影:田上麻里亜
「ケイ・カミニシ・アワード」受賞の様子。左から、朝日野球協会副会長小川学さん、エイダン・パクさん、エド・カミニシさん。2026年1月11日、バーナビー市。撮影:田上麻里亜

 パクさんは13歳で朝日に加わり、その後、ボランティアコーチとして選手の指導に携わってきた。受賞スピーチでは、「朝日は、より良い選手にしてくれただけでなく、より良いチームメート、より良い人間、より良いコーチにしてくれました」と述べた。その上で、「朝日は自分の人生の大きな一部で、このコミュニティから多くのものをもらいました。だからこそ、これからは次の世代に返していきたい」と、指導者として関わり続ける意気込みを語った。

 スピーチを終えたパクさんに話を聞くと「とても緊張した」と笑顔を見せ、朝日に加わった当時を振り返り、「ここはただのコミュニティではなく、自分にとっては本当に家族のような存在です」と話した。

スピーチを終え、ほっとした様子で笑顔を見せたパクさん。2026年1月11日、バーナビー市。撮影:田上麻里亜
スピーチを終え、ほっとした様子で笑顔を見せたパクさん。2026年1月11日、バーナビー市。撮影:田上麻里亜

 そのほか、州代表(Team BC)として全国大会に出場した選手の表彰や、今年から新たに設けられた「アサヒ・スピリット・アワード」を発表。初回受賞者には長年にわたり活動を支えてきた鈴木一家が選ばれた。同賞は、選手だけでなく、家族や団体を含め、コミュニティの一員として朝日に関わり、継続的に活動を支えてきた人たちに感謝を伝えることを目的に創設された。

 創設の背景について朝日野球協会副会長の小川学さんは、「長年にわたり朝日に関わり、活動を支えてきた選手や家族、団体に対して感謝を伝える機会を広げたかった」と説明し、朝日に関わった人たちが集まる場を、今後もより充実させていきたいと語った。

2027年ジャパンツアーに向けて

  2027年には、待ちに待ったジャパンツアーが予定されている。ツアーには18人の選手が参加する予定で、ヘッドコーチを務めるのはベン・チョウ(Ben Chow)さん。今回が初のヘッドコーチ就任となる。

2027年ジャパンツアーのヘッドコーチを務めるチョウさん。ツアーでは、選手たちが朝日スピリットを感じて、好きになってくれることが一番大切と語った。2026年1月11日、バーナビー市。撮影:田上麻里亜
2027年ジャパンツアーのヘッドコーチを務めるチョウさん。ツアーでは、選手たちが朝日スピリットを感じて、好きになってくれることが一番大切と語った。2026年1月11日、バーナビー市。撮影:田上麻里亜

 チョウさんは2018年から朝日ベースボール・アソシエーションの活動に関わり指導を重ねてきた。2027年のジャパンツアーについては、「目標は、選手たちが朝日スピリットを感じ、好きになってくれることです。朝日ベースボールにはとても長い歴史があります。今回選ばれた選手たちが将来また朝日に戻ってきて、コーチとして教えたり、支えたり、良いロールモデルになってくれることを目指しています」という。

 日本での交流についても、「日本のコーチから『この選手たちは野球を尊重している。グラウンドを尊重している。コーチを尊重している。まるで日本の選手のようだ』と言われることが、一番の褒め言葉だと思っています」と語った。

 ツアーの訪問先は、東京、千葉、名古屋(愛知)を予定している。朝日の歴史と精神を胸に、2027年のジャパンツアーに向けた活動が始まっている。

2027年ジャパンツアー参加予定の選手と指導者。朝日の新たな1年が動き出した。2026年1月11日、バーナビー市。撮影:田上麻里亜
2027年ジャパンツアー参加予定の選手と指導者。朝日の新たな1年が動き出した。2026年1月11日、バーナビー市。撮影:田上麻里亜

朝日ベースボール・アソシエーション

 2016年に発足。当時の名称はカナディアン日系ユースベースボールクラブ。2015年に最初のジャパンツアーを実施し、これを機に2016年に創設した。

朝日チーム・ジャパンツアー

 2015年を第1回として、2年に一度、同アソシエーションでプレーする選手から選抜チームを結成し日本に野球遠征している。2021年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止に。2017、2019年には、横浜、静岡、滋賀、奈良などで、2023年は神戸を中心に関西地区で親善試合や野球交流、2025年は千葉、東京、栃木を訪問した。

朝日ベースボールアソシエーションウェブサイト: https://www.asahibaseball.com/

ケイ・カミニシさんの家族も駆けつけた。左からレイ・シモクラさん、ジョイス・シモクラさん、ケニー・シモクラさん、エド・カミニシさん。2026年1月11日、バーナビー市。撮影:田上麻里亜
ケイ・カミニシさんの家族も駆けつけた。左からレイ・シモクラさん、ジョイス・シモクラさん、ケニー・シモクラさん、エド・カミニシさん。2026年1月11日、バーナビー市。撮影:田上麻里亜
Go Taikoによる太鼓のパフォーマンス。朝日の赤と同じ赤い法被で、会場は赤と熱気に包まれた。2026年1月11日、バーナビー市。撮影:田上麻里亜
Go Taikoによる太鼓のパフォーマンス。朝日の赤と同じ赤い法被で、会場は赤と熱気に包まれた。2026年1月11日、バーナビー市。撮影:田上麻里亜
2025年ジャパンツアーのメンバー。新年会では2025年のジャパンツアーの報告として、現地での活動をまとめたスライドショーが上映され、選手や指導者、保護者が協力してツアーに臨んだ様子が紹介された。2026年1月11日、バーナビー市。撮影:田上麻里亜
2025年ジャパンツアーのメンバー。新年会では2025年のジャパンツアーの報告として、現地での活動をまとめたスライドショーが上映され、選手や指導者、保護者が協力してツアーに臨んだ様子が紹介された。2026年1月11日、バーナビー市。撮影:田上麻里亜

(取材 田上麻里亜)

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