サンタに扮した「義賊」がモントリオールのスーパーで万引き

 ケベック州モントリオール市のスーパーマーケットで、サンタクロースに扮した一団が「義賊」として万引きする事件が起きた。

 12月15日午後9時15分ごろ、プラトー=モン=ロワイヤル地区の大型小売店メトロに、サンタやエルフに扮した一団が現れ、店内の食料品を代金を支払わずに持ち去ったという。

 事件後、義賊ロビン・フッドになぞらえた「ロバン・デ・リュエル(路地のロビン)」と名乗る活動家グループが、実行犯としてSNS上で名乗りを上げた。同グループによると、盗んだ食料(約3,000ドル相当)は、市内のヴァロワ広場にあるクリスマスツリーの下で再配布したという。

 同グループは、人々が生活苦にあえぐ一方で、スーパーマーケット・チェーンはインフレを口実に値上げをし、記録的な利益を上げていると主張。今回の万引き行為を「すばらしいフードドライブ」であり、政治的な行動喚起だとしている。

 これに対しメトロの広報担当ジュヌヴィエーヴ・グレゴワールさんはメディア向けの声明に、食品分野のインフレは世界的なサプライチェーンの混乱、商品価格の変動、国際貿易環境の変化など外的要因に大きく左右されるとし、「店頭価格はサプライチェーンの費用を直接反映したもの」だと述べている。

 モントリオール市警察は現在この事件について捜査中だが12月18日の時点で逮捕者は出ていないという。

(記事 高城玲)

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