メトロバンクーバー郊外を豪雨が襲う、避難命令や道路閉鎖が相次ぐ

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州南西部メトロバンクーバー郊外のフレーザーバレー地域が12月10日、「大気の川(An atmospheric river)」による豪雨に見舞われた。カナダ環境省によると11日午前7時までに、ホープで140ミリ、チリワックで110ミリ、コキハラ・サミットで101ミリの雨量が記録された。

 同地域では豪雨による洪水の危険性が広がっている。アボツフォード市は10日夜に地域緊急事態宣言を発令。11日午前中時点で、フレーザーバレー地域の約400戸に避難命令が出され、フレーザーバレーとオカナガン=シミルカミーン地域の1,800戸以上が避難警報下におかれた。雨は11日朝にほぼ止んだが、ケリー・グリーンBC州緊急管理・気候対策担当大臣は同日の記者会見で、「まだこの緊急事態を抜け出せたわけではない」と注意を促した。

 10日にはメトロバンクーバーから東へ向かう主要高速道路が全て閉鎖された。11日朝にはハイウェイ1(イェール~リットン間)など一部の南西地域へのルートが再開したが、多くの道路が依然として閉鎖、または部分閉鎖となっている。

 BC州運輸省は10日夜に洪水リスクがある地域への不要不急の移動を避けるよう警告。「気象条件が急変し、激しい雨による視界不良、道路の冠水、河川の増水などが、道路状況にさらなる影響を及ぼす可能性がある」とした。

 また南隣アメリカのワシントン州でも降雨による河川氾濫などが相次ぎ、10日夜に州全域で緊急事態が宣言された。ボブ・ファーガソン州知事は「今後数日で命が危険にさらされる」と警戒した。旅客鉄道アムトラックはバンクーバーとシアトル間を運休している。

(記事 高城玲)

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