バンクーバーダウンタウン中心部で白昼の刺殺事件、業界団体はSROの即時閉鎖を要求

 バンクーバー市ダウンタウン中心部で白昼に刺殺事件が起きた。バンクーバー市警察の発表によると、11月17日午後3時15分ごろ、グランビル・ストリートとヘルムケン・ストリートで男性が刺されたとの通報があった。男性は病院に搬送されたが死亡。現時点で被害者の身元は不明、容疑者逮捕にも至っていない。

 CBCニュース電子版の報道によると、警察は事件について無差別攻撃ではなく、被害者と加害者の間にはなんらかの関わりがあったと考えているという。

 現場はバーやナイトクラブなどが立ち並ぶダウンタウンでもにぎやかな「グランビル・ストリート・エンターテイメント地区」。事件を受けてバンクーバーの夜間経済セクターの業界団体Hospitality Vancouver Association(HVA)が声明を発表した。

 事件翌日に発表されたHVAの声明によると、男性が刺されたのはグランビル・ストリートのLuugat SROの向かい側。SROとはブリティッシュ・コロンビア(BC)州政府が導入したホームレス支援のための単身者住宅で、州政府は新型コロナウイルス禍の2020年にLuugat SROをオープンした。しかしその後、SROでは火災などの問題が相次いでいる。HVAは、同地区での暴力、不法侵入、路上での薬物使用などが容認できない範囲に達しているとし、グランビル・ストリート沿いにある3つのSROを即時に閉鎖するよう求めている。

 州政府は11月8日にLuugat SROを2026年6月までに閉鎖すると発表した。しかし住民の移転先は未定となっている。

(記事 高城玲)

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