カナダ食品検査庁(CFIA)は11月7日、疾病対応方針の一環としてブリティッシュ・コロンビア(BC)州の農場でダチョウを殺処分したと発表した。
殺処分が行われたのはBC州南東部エッジウッド地区にあるユニバーサル・オーストリッチ農場。昨年12月に鳥インフルエンザが検出されて約70羽が死亡したため、CFIAは同農場に残っている全てのダチョウの殺処分を命じていた。
しかし処分を巡っては農場側が殺処分取り消しを求めて提訴。農場付近には殺処分に反対する抗議者が集まるなど地元コミュニティにも影響が広がっていた。
農場側は、ダチョウは健康で集団免疫があり研究にも価値があるとして、殺処分は不要だと主張し検査を求めていた。しかしCFIAは、見た目が健康でもウイルスの潜在的な感染源となりうるとし、特に野生動物と接触した場合にウイルスが危険な形に変異するリスクが高まると主張。殺処分は国際獣疫事務局(WOAH)のガイドラインに規定されていると説明していた。
約1年に渡る論争は、11月6日に最高裁判所が農場側の最終上訴を棄却したことで終結。CFIAは7日に全てのダチョウを殺処分した。専門家との協議の結果、最も適切で人道的な方法として獣医の監督の下で専門の射手が行ったという。農場には約300羽のダチョウがいたとされている。
(記事 高城玲)
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