ブリティッシュ・コロンビア(BC)州公務員のストライキは、州立酒類販売店(BCリカーストア)や酒類流通倉庫で組合員がピケを張る事態となっている。そのため、アルコールを仕入れることができない州内のレストラン業界に大きな影響が出ている。
カナダレストラン協会マーク・フォン・シェルウィッツ西カナダ地区副会長は、10月8日に声明を発表。「BC州のレストランやバーでは酒類の在庫が急速に尽きつつある」とし、BC州公務員労働組合(BCGEU)と州政府との早期合意を求めた。
シェルウィッツ副会長は、飲食業者にとってアルコール販売は収益の非常に重要な位置を占めていると述べ、さらに多くの飲食店は小規模な独立経営の店舗であることから、今回の事態は死活問題だと危機感を表している。また外食産業だけでなく、業界で働く、主に若年層からなる183,000人の雇用に深刻な影響を及ぼす恐れがあるとしている。
しかし両者の合意のめどはたっていない。BCGEUはさらにストライキを拡大させ、10月8日には州内全てのBCリカーストアの従業員が職場を離れる事態となった。BCGEUの発表によると10月9日時点で、州内475カ所で25,000人を超える公務員がストに参加している。
シェルウィッツ副会長は「飲食業界がこのストの負担をいつまでも背負い続けることはできない」とし、今週中に合意が得られない場合は、民間の酒類販売店からの購入を一時的に認めること、BCリカーストアや民間販売店から酒類を仕入れられるような解決策を見出せないのであれば、職場復帰命令の発動を検討するよう訴えている。
(記事 高城玲)
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