歳時記   二〇二五年八月

八月になりました。今年は戦後八〇年の広島・長崎への原爆投下、終戦の年になりました。戦争の時代に生きた人の数もだんだんに減って来ます。その中での世界情勢の変化、人類にとって「戦争」は終ることのない営みなのかと思います。

八月の月の異名は葉月、このほかに仲秋、清秋、月見月、雁来など。

八月七日が立秋、八月二十三日が処暑、三十一日が二百十日になります。

日本の国民の祝日は八月十日が海の日になります。

八月五日が広島への原爆投下の日、八月九日が長崎への原爆投下、八月十五日が終戦の日です。(九月二日、ミズーリ艦上で無条件降伏の調印が行われました。)

カナダでは、終戦にも拘わらず、日系カナダ人に対する様々な差別措置が継続され、四千人余りが日本へ国外追放されました。

ものひとつ我が世は軽き  瓢(ひさご)かな   松尾芭蕉

かたつむり木に眠りゐる涼夜かな   岩井英雄

くゝられて星のかたちやたうがらし   高田正子

相思はぬ人を思ふは大寺の餓鬼の後(しりへ)に額づく如し   笠女郎

山城の鳥羽田(とばた)の面をみわたせばほのかに今朝ぞ秋風は吹く   曾根好忠

人皆の箱根伊香保と遊ぶ日を庵(いほ)にこもりて蠅殺すわれは   正岡子規

いたづらにあかす夜おほく秋更けて   宗祇

夢にうちらむる萩の上風   肖柏   「水無瀬三吟百韻」より

(寄稿 佐伯洋子さん)

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