アルバータ州補欠選挙、保守党ポワリエブル党首が圧勝

 アルバータ州バトルリバー-クロウフット選挙区で連邦議員補欠選挙が8月18日に実施され、保守党ピエール・ポワリエブル党首が約80%の得票率で圧勝した。

 同選挙区は今年4月に行われた連邦総選挙で保守党ダミアン・クレック氏が当選した選挙区。しかしポワリエブル党首が長年当選してきたオタワの選挙区で4月に落選したため、クレック氏が辞職し、補欠選挙となった。この選挙区は全国でも2番目に保守党が強い選挙区と言われ、ポワリエブル党首が落選する可能性は限りなく低かったが、落下傘候補として住民に受け入れられるかが焦点だった。

 これでポワリエブル党首は党首として9月15日から再開する国会に出席できることになった。それまでに宣誓式が行われるかは未定。

 ポワリエブル党首率いる保守党は4月の総選挙で議席は増やしたが、政権奪取に失敗した。保守党は一時支持率で20%以も自由党を引き離していた。しかし、今年1月にジャスティン・トルドー前首相の辞任、アメリカ・トランプ大統領の再選、トランプ関税によるアメリカとの経済摩擦などで、トルドー前首相を引き継いだマーク・カーニー首相が誕生すると支持率は逆転。総選挙でも自由党に及ばず、野党第1党から抜け出せなかった。

 保守党は来年1月にアルバータ州カルガリー市で開催する党大会で党首への承認投票を行う。

 ポワリエブル党首は20日、ブリティッシュ・コロンビア州サレー市で当選後初めての会見を行った。自由党が政権を担っている過去10年で物価は上昇、犯罪は増加、移民政策の失敗、トランプ政権や中国との交渉失敗など、自由党政策を批判。保守党は、不法滞在者を含めた犯罪者への厳格な対応、アメリカに頼らない貿易の多角化、国内経済の活発化などを実施すると語り、「カナダファースト」を進めると強調した。

 世論調査会社ナノスリサーチが19日に発表した調査結果によると、自由党の支持率は44.4%、保守党32.4%。首相にふさわしい党首は、自由党カーニー党首が51.5%、保守党ポワリエブル党首が24.4%。

 来年1月の党大会までに9月から始まる国会で自由党を追求し、この支持率をどこまで縮められるかが焦点となる。

(記事 三島直美)

合わせて読みたい関連記事