カナダ・バンクーバーの夏の風物詩としておなじみの海上花火大会「Honda Celebration of Light」の無期限中止が11月26日に発表された。
カナダ最大の無料イベントとして、またバンクーバー観光のけん引役として、30年以上にわたって親しまれてきたイベントだが、バンクーバー・ファイアワークス・フェスティバル協会(VFFS)の声明によると、この3年間で制作費の高騰や連邦政府助成金の廃止、州からの支援の大幅減少、民間投資の減退といった重大な課題に直面していたという。
バンクーバーサンによると、連邦政府の助成金は2023年が45万ドル、24年が25万ドル、25年と26年は廃止されたという。一方、BC州政府は過去15年は25万ドルを助成していたが来年は10万ドルの予定だったという。
ここ数年は、収益確保のためにチケット制の座席や観覧ラウンジ、企業向けのパッケージプランなどを導入してきたが、資金集めに奔走する状態だったとし、政府助成金や民間スポンサーがない状況では、無料のコミュニティイベントとして維持することは困難との結論に至ったという。
エグゼクティブ・プロデューサーのポール・ラナルス氏は、今年7月に連邦政府と州政府からの助成金が大幅に減少したことを明らかにし、2026年度の開催は不透明だと述べていた。
ラナルス氏は今回の無期限中止について「この決断がどれほど辛いものか、言葉では言い表せない」と述べ、困難な財政状況を可視化することで、政府やパートナーが長期的な解決策を講じ、将来イベントが持続可能な形で復活できるようになることを望むと語っている。
(記事 高城玲)
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