バンクーバーで活躍した初代スカイトレイン車両が映画界で再デビュー

セットの中で使われているMark-I。Photo by Translink
セットの中で使われているMark-I。Photo by Translink

 引退したスカイトレインの旧型車両が映画界で再デビューすることになった。

 白いボディに赤と青のストライプが入ったスカイトレインの初代車両「マークI」は、1986年以来、約40年にわたりメトロバンクーバー市民に利用されてきた。このマークIの一部引退にともない、メトロバンクーバーの公共交通機関を管理運営するトランスリンクは昨年から同車両の「リタイアメント・プラン」を募っていた。

 10月21日にトランスリンクから発表されたのは、ラングレー・タウンシップの映画スタジオ、ルモステージ・バーチャル・プロダクションによる再生プラン。マークIはニューヨークの地下鉄車両風の映画・テレビ撮影用セットとして生まれ変わった。

 ルモステージ社の最高執行責任者アンガス・ルク=ラムゼイ氏によると、これまでは、ブリティッシュ・コロンビア(BC)州で地下鉄のシーンを撮影するのは難しかったという。しかし、「トランスリンクや優れた映画エンジニア、アーティストたちの協力により、引退したスカイトレイン車両を、映画撮影に適したインタラクティブな地下鉄セットに変えることができた。BC州は映画やコマーシャル制作にとってさらに魅力的な場所になる」と期待を寄せた。

 同社ウェブサイトには、シルバーの外観にオレンジや黄色のカラフルなシートを備えた、生まれ変わったマークIの画像が掲載されている。この地下鉄セットはLEDボリュームとシームレスに統合されており、リアルな車体の動きや没入感のあるトンネル空間が再現可能だという。

 トランスリンクでは、引き続きマークI再利用のアイディアを募集している。企業、団体、個人は問わない。購入希望者はオンラインフォーム(https://portal.us.bn.cloud.ariba.com/discovery/public/rfx/23515773/preview)から申請できる。購入する場合、メトロバンクーバーにある車庫からの移動費や再利用案にかかる費用は自己負担。申し込みは11月28日までだが、その後も車両が引退する際には申請が再開される。

(記事 高城玲)

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