高速旅客フェリー、バンクーバーでザトウクジラと衝突

 バンクーバー市のイングリッシュ・ベイで高速旅客専用フェリーがザトウクジラと衝突していたことが分かった。10月18日にカナダ漁業・海洋省(DFO)が発表したと複数のメディアが伝えた。

 事故を起こしたのは、バンクーバー市ダウンタウンとナナイモ市を結ぶ高速旅客専用フェリー「ハロー・フェリーズ(Hullo Ferries)」の船舶。報道によると、ハロー・フェリーズは事故の発生を同省に報告した後、全面的にDFOの調査に協力しているという。また、クジラは17日にフェリーと衝突、その後、北の方向へ泳いでいくのが確認されたという。

 同フェリーの運航会社「バンクーバーアイランド・フェリー・カンパニー」は、同社のスプヘルズ号が定期運航中に「クジラと接触した可能性が高い」ことを明らかにしている。乗組員は、クジラを発見した時点で即座に回避行動を取り、安全手順に従って緊急停止を実行したという。

 その後、21日にThe Pacific Whale Watch AssociationがSNSに投稿した発表によると、「スキッパー」と名付けられている子どものザトウクジラに、16日の撮影ではなかったが、20日の写真では背びれがパックリと割れているのが確認されたという。状況からフェリーと衝突したと推測されるとしている。

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州では9月にも、州北西部プリンス・ルパートの南東約130キロの沖合で、BCフェリーの船がザトウクジラと衝突したとみられる事故が起きている。事故の翌日、同じ海域でザトウクジラが死亡しているのが見つかっている。

(記事 高城玲、北野大地)

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