盗まれたグレッグ・ムーアのレーシングヘルメット、無事にスポーツの殿堂に戻る

 バンクーバー市警察は9月18日、BCスポーツの殿堂から盗まれたインディカー・ドライバーの故グレッグ・ムーア氏のヘルメットを発見し、容疑者を逮捕したと発表した。

 事件が起きたのは9月3日。BCプレース内にあるBCスポーツの殿堂に展示されていたムーア氏のレース用ヘルメットがなくなっていることにスタッフが気づいた。

 ムーア氏はブリティッシュ・コロンビア(BC)州メープルリッジ市出身で、1990年代後半にインディカー・サーキットで活躍した。通算5勝、17回表彰台に上ったが、1999年にカリフォルニア州で行われたレース中に24歳で命を落とした。ヘルメットは、ムーア氏が1998年にブラジルのリオ400で優勝した際に使用したもので、同氏の家族から殿堂に貸し出されていた。

 警察は防犯カメラ映像をもとに容疑者を特定、盗まれたヘルメットを同市ダウンタウン・イーストサイドのダンレヴィ・アベニューにある集合住宅で発見した。9月12日に逮捕された39歳の容疑者には、5,000ドル以上の金品窃盗および盗品所持の疑いがかけられている。まだ正式に起訴されておらず、11月19日に出廷する予定。

 スティーブ・アディソン巡査部長は声明で、「グレッグ・ムーア氏はBC州の象徴であり、その競技人生を通じて私たちに大きな感動を与えてくれた。今回、容疑者逮捕に至り、ヘルメットをBCスポーツの殿堂に戻すことができて安堵している」と述べた。

(記事 高城玲)

合わせて読みたい関連記事