岡本フル出場、ライズFCはカルガリーに圧勝 

前にパスを繋ぐ岡本。後ろで立ち上がって見守るのはアンニャ・ハイナー=モラー監督。2025年9月6日、バーナビー市スワンガード・スタジアム。Photo by Koichi Saito/japan Canada Today
前にパスを繋ぐ岡本。後ろで立ち上がって見守るのはアンニャ・ハイナー=モラー監督。2025年9月6日、バーナビー市スワンガード・スタジアム。Photo by Koichi Saito/japan Canada Today

 NSL(ノーザンスーパーリーグ)のバンクーバー・ライズFCは9月6日、バーナビー市のスワンガード・スタジアムでカルガリー・ワイルドFCと対戦、6-0で圧勝した。

9月6日(スワンガード・スタジアム:3,897人)
バンクーバー・ライズ 6-0 カルガリー・ワイルド

今季2度目の大量6得点、攻撃陣が躍動

 立ち上がりからバンクーバーの攻勢が続いた。14分、デ・フィリッポが左サイドから相手GKにプレッシャーをかけてボールを奪い、そのこぼれ球をラティファ・アブドゥが押し込んでデビュー戦で先制点を挙げた。前半終了間際の49分には、デ・フィリッポがハーフライン付近でパスをカットし、弧を描くロングシュートを見事に決めて追加点。2点リードで折り返し、会場を沸かせた。

後半から冷たい雨に見舞われるも、バンクーバーの猛攻は続いた。2025年9月6日、バーナビー市スワンガード・スタジアム。Photo by Koichi Saito/japan Canada Today
後半から冷たい雨に見舞われるも、バンクーバーの猛攻は続いた。2025年9月6日、バーナビー市スワンガード・スタジアム。Photo by Koichi Saito/japan Canada Today

 ハーフタイム中に降り始めた雨により後半の開始が遅れたが、バンクーバーの勢いは止まらなかった。52分にはアブドゥがこの日2点目。64分にクイン、71分にマライア・リー、77分にリサ・ペチェルスキーと立て続けに得点し、6点差の大勝となった。

 この日のボール支配率は62%、シュート数でも24対11と上回り、バンクーバーが完勝。岡本祐花は「前半で2点取って折り返せたところが大きかった。後半に4点取れたことはチームとしても勢いがつくいい試合になった」と振り返った。

岡本、右サイドでスペースを作る

 先発メンバーとして右サイドバックでフル出場した岡本は、守備で相手の突破を抑えつつ、攻撃では高い位置を取ってスペースを生かした。今回の試合でチーム2番目となる63本のパスを記録し、ビルドアップの起点として存在感を発揮。監督から「もっとポジショニングをしてボールをつなごう」と指示を受けて臨み、「焦って前に行きすぎず、後ろからビルドアップを意識した」と語った。「少し消極的になってしまったかも」と振り返りながらも、自らシュートを放つ場面もあり、リズムを作った。

 カルガリーとの対戦は初めて。「様子を見ながらだったけど、自分たちがボールを持つ時間も多かったので、楽しみながら落ち着いてできた」と振り返った。

加入2カ月、サッカーもカナダ生活も充実

試合後、笑顔で手を振りファンに応える岡本。2025年9月6日、バーナビー市スワンガード・スタジアム。Photo by Koichi Saito/japan Canada Today
試合後、笑顔で手を振りファンに応える岡本。2025年9月6日、バーナビー市スワンガード・スタジアム。Photo by Koichi Saito/japan Canada Today

 岡本はチームの雰囲気について、「ミスしてもみんなでカバーし合って声をかけ合える。すごくいい雰囲気の中でできている」と語った。7月に加入してから2カ月余り。生活面については「みんなすごく優しくしてくれて、生活にもサッカーにも慣れてきたかなってところです。今はすごく楽しくやってます」と充実感をのぞかせた。

 ファンの存在については「ファンも増えてすごくうれしい。もう通訳をつけずにやっているので(英語がまだ)全然分からないけど、とりあえず笑顔でやっています」と笑い、試合後も最後までファンの声援に応えていた。

「勝つことが大前提」首位トロントとの直接対決へ

 バンクーバーは、NSL首位のAFCトロントに勝ち点で6点差をつけられているものの、勝ち点32で2位を維持。AFCトロント(38点)との直接対決は9月13日、トロント市ヨーク・ライオンズ・スタジアムで行われる。AFCトロントには木﨑あおいが所属している。

試合後のインタビューで今後の意気込みについて語る岡本。2025年9月6日、バーナビー市スワンガード・スタジアム。Photo by Koichi Saito/japan Canada Today
試合後のインタビューで今後の意気込みについて語る岡本。2025年9月6日、バーナビー市スワンガード・スタジアム。Photo by Koichi Saito/japan Canada Today

 岡本は「首位のトロントとやるので勝つことが大前提。ここまで負けなしできているので、しっかり勝って次のホームゲームにつなげたい」と意気込みを語った。

 続く9月20日はホーム最終戦となるオタワ・ラピッドFC戦。その後アウェー戦が続き、プレーオフに臨む。

バンクーバー・ライズの今季ホームゲームhttps://www.vanrisefc.com/

9月20日(土)1pm オタワ・ラピッドFC戦

(取材 田上麻里亜/写真 斉藤光一)

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