後半アディショナルタイムも10分を過ぎた試合終了間際にPKのチャンスを得たホワイトキャップスは、この日キャプテン腕章を付けたミュラーが決めて逆転勝利した。
8月23日(BCプレース:26,031)
バンクーバー・ホワイトキャップス 3-2 セントルイス・シティSC
先制は14分にセントルイス。ホワイトキャップスは前半終了間際アディショナルタイムにホワイトがPKを決め同点。しかし後半セントルイスが73分にゴールしてまたもリード。ホワイトキャップスは途中出場したリオスが79分に決め同点に追いついた。最後はミュラーがPKで試合を決めた。
守りの隙をつかれ2失点も、ホワイトキャップス8月初勝利
劇的な勝利だった。今季低迷するセントルイスに2度もリードされる展開となった。それでも最後に訪れたPKのチャンスにミュラーが決めた。ファンも大歓声を上げて喜びを爆発させた。

随所に好セーブを見せ2失点に抑えたGK高丘は、「オープンな試合でしたけど、ちゃんと最後に勝てたことは収穫かなと思います」と振り返った。8月はこれが初勝利。勝ち点3を取って2位に1ポイント差につける。
昨季は9月に大失速した。今季同じ過ちを繰り返さないためにもこの日の勝利は大きい。前節は試合終了間際に相手に点を取られ、勝ち点3をあと少しのところで逃した。シーズン終盤に向けて高丘は「決めきるところはちゃんと決めきらないといけないですし、前回の試合もそうですけど、決めきるところで決めきれないで、最後失点して勝ち点も失ったというところがあったので。決め切りるところと、プラスもっとオーガナイズして相手の攻撃の機会を減らすことが大事かなと思います」と語った。
ミュラーMLS初ゴールでチームを勝ちに導く

この日キャプテン腕章を着けたミュラーは先発フル出場した。試合開始から104分にPKでMLS初ゴールを挙げると、喜びを爆発させた。PKの場面を聞かれ「いい緊張感だった」と試合後笑顔で答えた。キャプテンとしてプレーしたことについて「キャプテンはゴールドであることは変わらないけれども、ケガで出場できない中、前の試合ではホワイトが着けていたので、移籍1週間でキャプテン腕章をつけることにためらいはあったが、チームのみんながそうするように言ってくれたから」と説明した。
腕章があってもなくても自分がチームを引っ張っていかなくてはいけないことは同じとも語った。
高丘は「ずっと喋っていますし、喋りながらプレーできますし、周りを引っ張れる選手だと思います」と話す。「リーダーシップを持っていますし、能力もあるし。チームにもたらしてくれるものは大きいと思います」。ディフェンスの面でもコミュニケーションを取ってオーガナイズをしてくれるのでやりやすいと語る。
ドイツのスーパースターの加入でホワイトキャップスが終盤どのような戦いを見せるのか。この日もチケットは完売。満員のファンが詰めかけた。レギュラーシーズン残り7試合。8月が終わり14勝6敗7分、勝ち点49。西カンファレンス3位。2位ミネソタに1ポイント、1位サンディエゴまで4ポイントと十分に首位を狙える位置につけている。
日系ペルー人カブレラが3試合連続出場
今年7月に入団した日本生まれの日系ペルー人選手ケンジ・カブレラが前節に続いてこの日も途中出場した。8月13日カナディアン・チャンピオンシップのフォージFC戦でホワイトキャップスデビューし、16日にバンクーバーデビューした。会場にはペルー国旗を持ったファンも応援していた。

9月、10月のホームゲーム(https://www.whitecapsfc.com/)
9月13日(土)6:30pm フィラデルフィア・ユニオン戦
9月24日(水)7:30pm ポートランド・ティンバーズ戦
10月5日(日)3:00pm サンノゼ・アースクエイクス戦
10月18日(土)6:00pm FCダラス戦
(取材 三島直美/写真 斉藤光一)
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