ブリティッシュ・コロンビア(BC)州南東部クレストン近郊で7月26日、グリズリーベアが男性を襲った。
BC州自然保護官サービス(BCCOS)によると事件が起きたのは午後4時30分ごろ。被害者と妻がクートニー川沿いを電動自転車で走行していた時、妻が夫の悲鳴を聞き振り返ったところグリズリーベアが妻に向かって突進してきたという。妻はクマ撃退スプレーでグリズリーを追い払い、夫が別のクマに襲われているのを見つけて再びスプレーで撃退した。警察は当初、男性の容体について命に関わるけがと発表していたが、男性は病院に搬送され手術を受けた後、回復に向かっているという。
警察の声明によると襲撃はクレストン・バレー野生動物保護区域内で起きた。2頭のクマは2~3歳と見られ、ここ数年この地域に生息していたことが確認されている。BCCOSベン・ビートルストン警部補はCBCニュースの取材に「2人はクマとの遭遇に備えて、しっかり準備をしていた」と述べ、妻がクマに勇敢に立ち向かいすぐに911に通報したことを評価した。
今回の件について複数の専門家が「電動自転車の音が非常に静かで、十分な音を立てなかった」ことが原因の一つではないかとの見解を示している。
事件後、自然保護官が現場を捜索したがクマを発見することはできなかった。7月28日にBCCOSは、夫婦への聞き取り、現場調査、専門家との協議の結果、「この襲撃はクマにとって防御的なものであり、クマが夫婦を追跡したり獲物として捕らえようとした証拠はないとの結論に至った」と発表、クマの捕獲や殺処分は行わないことを明らかにした。
(記事 高城玲)
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