“Don’t Let’s Go to the Dogs Tonight” 植民地時代に生きる少女

写真: 2015 Sony Picftures Classics
写真: 2015 Sony Picftures Classics

 7歳の少女の視点から語られる戦時中の人種差別。Alexandra Fullerの同名伝記小説を基に、映画は1980年のRhodesia(現在のジンバブエ)の独立を舞台とする。それまでは白人が土地を所有し農場などを営んでいたが、選挙で政権交代となりアフリカ人との立場が逆転する。監督は俳優のEmbeth Davidtz、主演はLexi Venter。

 白人農場で育ったボボ(Lexi Venter)は、小さい時からアフリカ人は危険なテロリストだと教えられてきた。母親(Davidtz)は銃を持ちながら寝るし、父親(Rob Van Vuuren)は兵役で家を出ることが多い。家族は常に農場を奪われることを恐れながら生活していた。ボボは一人で馬やスクーターに乗って自由に行動し、農場で働くアフリカ人のサラ(Zikhona Bali) とジェイコブ(Fumani N Shilubana)を訪ねる日々を送っていた。彼女は当然のように自分がアフリカ人より上だと思っていたが、サラを慕い、サラもボボを娘のように可愛がってくれた。だがそんなある日…

 監督自身も子ども時代に南アフリカで差別を経験していた。主演のボボが子どもなりに状況を理解しようとする姿、特にLexi Venterの素晴らしい演技に注目したい。映画は、昨年トロント国際映画祭のガラで上映され、今月18日からFifth Avenue Cinemas で上映中。

(記事 Jenna Park)

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