BC州政府が住民に節水呼びかけ、今後数週間で干ばつ悪化の予想

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州政府は7月14日、この先数週間にわたり干ばつ状況の悪化が予想されることから住民に節水を呼びかけた。

 ランディーン・ニール水・土地・資源管理大臣は「節水と干ばつへの対応は私たち全員の責任。協力体制のもとでの早期行動が大きな効果を生む」と声明を発表。州政府が地域社会や農家の支援、大口の水利用者と協力しての使用量削減、河川や気象の状況、生態系に与える影響の監視などに取り組む一方、住民には可能な限り節水を心がけるよう協力を求めている。

 家庭でできる取り組みとしては「芝生への散水を控え、乾燥に強い植物に切り替える」「玄関先やパティオの掃除は水ではなくほうきを使う」「歯磨きや食器洗いの際に水を出しっぱなしにしない」「蛇口の水漏れ修理(長期的には数百リットルの節水となる)」などを挙げている。州政府によると、州内では夏季の水使用量の70パーセントが住宅での使用となっている地域もあり、家庭でのちょっとした取り組みが大きな差を生むとしている。

 最近の干ばつ状況については、降雨により一部地域で多少の改善が見られたものの、州南部の内陸地域の多くでは依然として乾燥状態が続く見通し。干ばつの深刻化と、ニコラ川、ケトル川、オカナガン川、スローカン・ローワーコロンビア川流域の河川流量の減少が懸念されている。

 自発的な取り組みだけで水流が回復しない場合は、動植物や流域環境への長期的な悪影響を防ぐため、最終手段として一時的な水の使用制限命令が出されることもある。発動は科学的根拠と地域経済への影響を慎重に分析したうえで行われるという。

(記事 高城玲)

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