4年前の大火事で町全体を焼失したBC州リットンで再び山火事、原因は警察車両の不具合

BC Wildfire Serviceウェブサイトより。
BC Wildfire Serviceウェブサイトより。

 壊滅的な山火事が起きた2021年から4年、復興途上のブリティッシュ・コロンビア(BC)州リットンで、再び制御不能の山火事が起きている。しかもその原因が警察車両による偶発的な発火と判明した。

 リットンは州中南部のトンプソン・ニコラ地域にある小さな村で、バンクーバー市から北西約250キロのところに位置している。7月3日のRCMP(連邦警察)の発表によると、リットン近郊の「イズマン・クリーク火災」は7月1日午後2時20分ごろに発生した。RCMPのトレーラーの装備に不具合があり右側の車輪が外れたことが原因で、結果的に草の生い茂った側溝で火災が発生したとみられる。

 警察官は所持していた消火器で消そうとしたが火の勢いを抑えることができなかった。原因となったトレーラーはRCMPの水中捜索チームのもので、近隣の湖での行方不明者捜索を終えバンクーバーに戻る途中だったという。

 警察はこの火災について「非情に不運だった」と述べ、乾燥した山火事のシーズン中はほんの小さなことが大きな火災につながる可能性があるとして、改めて注意を呼びかけている。

 BC Wildfire Serviceのウェブサイトによると、このイズマン・クリーク火災は7月3日午後2時の時点で130ヘクタールにまで拡大、制御不能となっている。火災を受けてトンプソン・ニコラ地域では7月1日に、ハイウェイ12号線沿いの地域に避難命令と警報が発令された。リットン・ファースト・ネーションもフレーザー川東側にある複数の保留地を含む広範囲に避難警報を出した。

 2021年6月30日に起きた山火事でリットンの大部分とリットン・ファースト・ネーションの一部が焼失、2人が死亡した。この時はバンクーバーを含むBC州南部はヒートドームに覆われ、リトンでは最高気温49.6度を記録した。

(記事 高城玲)

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