BC州ケローナの一次産科医療が崩壊危機と産婦人科医が警鐘

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州中央南部ケローナ市で、産婦人科医たちがファミリードクター不足により同地域の一次産科医療体制が6月1日にも崩壊する可能性があると警鐘を鳴らしている。

 声明を発表したのはケローナ総合病院産婦人科に勤務する医師9人。産婦人科医は本来、高リスクの妊娠や緊急対応を担当するが、現在ファミリードクターや助産師が対応するはずの低リスクの出産まで担当するよう求められているという。

 BC州医師会会長シャーリーン・ルイ医師は「もし低リスクの出産対応中に緊急の高リスク症例が発生した場合、産科医は同時に両方対応することができない。これは患者の安全と質の高いケアの提供に深刻な懸念をもたらす」と述べている。

 今回の声明は、同病院が小児科医不足により小児科ユニットを6週間閉鎖すると発表した直後に出された。

 ルイ医師は「ケローナは現在、州内・国内の他地域と比べても深刻な問題に直面している」と懸念を示している。一次産科医療の体制を維持するためにインテリア・ヘルスとBC州保健省に人員を積極的に募集し適切な報酬を与えるよう求めている。

(記事 高城玲)

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