日系ホームを支えたHi-Genkiレストラン、惜しまれつつ営業を終了

 日系ホームで居住者への食事を提供していただけでなく、一般のレストランとしても営業していたHi-Genkiレストラン。2020年3月から始まった新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、2020年4月に営業を終了した。

 ボリュームたっぷりで美味しく、リーズナブルな価格で提供していたランチは特に人気で、営業終了を惜しむ声も多かった。

 日系ホームがオープンした2002年から日系コミュニティに日本食の美味しさと楽しさを提供してきたHi-Genkiレストランを経営してきたのは日本食料品店Fujiya。今回は、FujiyaのMegan Matsudaさんに話を聞いた。

―日系ホームでHi-Genkiを始めるきっかけを教えてください。なぜFujiyaが始めることになったのですか?

 日系ホームの担当者が平居しげる(Fujiya創業者)にこの構想を相談しました。平居氏は1970年代に「まねき食堂」を経営して以来、飲食業への復帰を熱望していました。 また、母であるフジエさんが日系ホームに入居することになり、母や入居者のために美味しい料理を提供したいという思いもありました。

―メニューのカロリーや品数、味付けなど、何か特別に心がけたことはありますか?レストランは日系ホームの入居者だけでなく、一般の方にも開放していましたから、バランスが必要だったと思うのですが。

 一般向けと入居者向けのメニューは別で、基本的に2つのチームを編成していました。 入居者向けのメニューは、アシステッドリビング施設のガイドに沿って、登録栄養士と共同で開発しました。さまざまな食事制限や嗜好に対応し、おいしくて健康的な食事を数多く提供できるようにすることは、常にチャレンジでした。レストランでは、家庭的な和食にこだわり、鶏の唐揚げやトンカツなど、ボリュームたっぷりの揚げ物メニューが評判でした。

―レストランが正式に閉店したのはいつですか?閉店を決めた理由は何ですか?

 2022年4月30日にレストランを閉店しました。とても難しい決断でした。2020年の新型コロナの影響拡大以来、私たちはダイニングルームをお客様に開放することができませんでした。日系ホームに新型コロナのリスクを持ち込むわけにはいかないので、閉店したままでした。テイクアウトやデリバリーで多くの支持を得ましたが、それだけでは続けられませんでした。レストランは、入居者の食事サービスを財政的に支える重要な役割を担っており、その収入源がなければ続けることができなかったのです。

―今、バンクーバーでは美味しくて手頃な価格の日本食レストランを見つけるのが難しいので、みんな本当にHi-Genkiレストランを恋しがっています。今後、同じようなレストランをオープンする可能性はありますか?

 再出店については、今、フード業界は食材のコストアップ、スタッフの確保・定着の難しさなど、さまざまな問題を抱えています。このような状況が改善されれば、再出店を検討することができると考えています。

2000年から20年間、日系ホームの台所を担ったHi-Genkiレストランの店内の様子。Photo from Fujiya
2000年から20年間、日系ホームの台所を担ったHi-Genkiレストランの店内の様子。Photo from Fujiya

(取材 三島直美)

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