2030年に向けバンクーバーで五輪招致再燃か?

2010年2月に開催されたバンクーバー五輪の聖火。©The Vancouver Shinpo
2010年2月に開催されたバンクーバー五輪の聖火。©The Vancouver Shinpo

 冬季オリンピック開催から今年2月で11周年を迎えたバンクーバーで、五輪招致の動きが再燃している。

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州バンクーバー市は2010年2月に冬季オリンピック、3月にパラリンピックを開催。街も、国民も、大いに盛り上がり大成功に終わった。

 昨年2月は10周年の記念の年だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、大きな記念行事が制限された。3月のパラリンピック開催から10周年行事はすべて中止となった。

 しかし、昨年の10周年の時に2010バンクーバー冬季オリンピック・パラリンピック実行委員会(VANOC)最高責任者(CEO)だったジョン・ファーロング氏が、バンクーバー市は2030年招致を本気で考えるべきだと主張。今年に入っても五輪招致は新型コロナからの経済回復に大きな役割を果たすとメディアで語っている。

 バンクーバー市は昨年11月4日に市議会で招致についての議論を延期することを決定した。今春には市議会で検討される予定になっている。

 国際オリンピック委員会(IOC)は2月24日、2032年夏季大会招致について、オーストラリアのブリスベンを優先候補に選んだ。財政的な負担が大きいとして立候補する都市が減少する中、コスト削減と招致都市の負担軽減を目的にIOCがルールを変更している。

 バンクーバー市が招致を決定すれば、「優先候補」に選ばれる可能性もあるという。2010年開催時の競技施設がほぼそのまま使用できることや、大会が成功したことが大きな理由という。

 新型コロナ前に2030年冬季大会招致に関心を示していたのは、スペイン・バルセロナ(1992年夏季大会開催)、日本・札幌(1972年冬季大会開催)、アメリカ・ソルトレイクシティ(2002年冬季大会開催)。

 カナダでは2026年冬季大会開催にアルバータ州カルガリーが1988年以来の招致に乗り出していたが、住民投票で反対が上回り断念した。

 バンクーバー市のこれからの動きが注目される。

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