カナダ新型コロナウイルス対応経済緊急対策

 新型コロナウイルス感染拡大防止策を3月中旬から強化した結果として、個人や企業への経済的負担が大きくのしかかったため、連邦政府は緊急経済支援策を実施。減収した個人や企業に早急な支援を実行するとともに、経済活動の再開へと支援の内容を移行している。

カナダ政府が実施している経済対策は専用ページで紹介している。

https://www.canada.ca/en/department-finance/economic-response-plan.html#businesses

個人への支援(Support for Individuals)

個人・家族への支援

▼カナダ緊急対応給付金(Canada Emergency Response Benefit:CERB)

新型コロナウイルス感染拡大により、解雇、一時帰休、就業時間削減などで収入が1カ月1000ドル以下に減収した個人や自営業者を対象に、4週間ごとに2000ドル(課税対象)を最大で24週間支給する現金給付策。https://www.canada.ca/en/services/benefits/ei/cerb-application.html

事業支援(Support for Businesses)

一時解雇の回避、従業員の再雇用、新しい雇用創出への支援策

▼カナダ緊急賃金助成制度(Canada Emergency Wage Subsidy:CEWS)

条件を満たす雇用主に対し、従業員賃金の75パーセント(1従業員につき1週間847ドルを上限)を保証。従業員の再雇用や一時解雇の回避を可能にする対策。実施は3月15日から8月29日まで。https://www.canada.ca/en/revenue-agency/services/subsidy/emergency-wage-subsidy.html

▼カナダ緊急商業賃貸援助(Canada Emergency Commercial Rent Assistance:CECRA)

中小企業が負担する商業用賃貸料を4月と5月(遡って申請可能)、6月に限り75パーセントを削減する対策。50パーセントを連邦・州政府が支援し、賃貸契約事業者が最大25パーセントを負担、不動産所有者が25パーセントを負担する。 https://www.cmhc-schl.gc.ca/en/finance-and-investing/covid19-cecra-small-business

▼大企業緊急融資策(LEEFF)

大企業の事業継続に必要なつなぎ融資を提供する。対象は新型コロナウイルス感染拡大によって従来の融資では事業継続が不十分な大企業。この対策でカナダの大企業を支援することにより、従業員、および関連するサプライヤーも援助することができる。さらに大企業の急速な事業回復も可能となる。

このプログラムは、カナダ開発投資公社と、イノベーション・科学・経済開発省、財務省との協力により実現。https://www.cdev.gc.ca/home-ceefc/

▼ワークシェアリングプログラムの拡張(Extending the Work-Sharing program)

COVID-19の影響を受けている事業者を対象に、ワークシェアリングプログラムの適用最大期間を38週間から76週間に延長。 これにより、通常の労働時間を短縮することに同意する従業員に所得支援を提供。https://www.canada.ca/en/employment-social-development/services/work-sharing/notice-covid-19.html#_Employers

▼若者のための新しい雇用と機会の創出

今夏から今後数カ月に、学生が就職先を見つけて有用なスキルを習得できるように最大116,000件の雇用機会、就職斡旋、その他のトレーニングの機会を創出。さらに、カナダの夏期雇用プログラムの一時的な変更により、雇用主に以下のことを可能にする;

  • 増額した賃金助成金の受給することにより、民間および公共機関の雇用主は、各従業員への州・準州の最低時給を最大で100パーセント受け取ることが可能となる
  • 2021年2月28日まで雇用
  • プロジェクトと仕事内容を適応させる
  • パートタイムでスタッフを雇用